輝夜が赤ちゃんになった。身長5cmほどの胎児だ。
母胎にはうどんげが選ばれた――本人も薄々覚悟していたらしい――。
永琳の手術により、無事にうどんげの胎内に着床した輝夜。順調に育ち、それから数ヶ月後、生まれた。
ただ分娩時は少し難儀した。輝夜は足からに生まれてきてしまったのだ。いわゆる胎内逆位というやつで、ずいぶんと難産だった。うどんげは一生分の苦痛を味わったという。
「うがあああああああ!! 痛いいぃぃぃぃ!! 師匠もうこんな痛いの無理ですわだじを殺してぇぇぇぇぇぇ!!!」
永遠亭中に響き渡ったその悲鳴に、因幡達は震え上がったという。
「もう無理だ……あたし子どもうめない……」
出産への恐怖を植えつけられた雌因幡も少なくなかった。
さておき、輝夜はまさに玉のように可愛い赤ちゃんだった。
「うどんげ! 私もう無理! これ以上姫のお顔を見ていられない! 死んじゃう!」
うどんげが頼りにしていた永琳は早々に育児戦線から脱落した。輝夜があまりに可愛すぎて、心がどうにかなってしまったらしい。
うどんげはてゐと一緒に子育てを頑張った。
けど、てゐもちょっと変になっていた。
「私、もう無理! これ以上鈴仙への気持を抑えきれない! 次は私と一緒に子どもつくろっ」
うどんげが輝夜におっぱいをあげている時に、てゐに告白された。
「うーん。姫様が1,2歳くらいになったらね。今は大変だし」
約束した。
ある日に妹紅がやってきた。当然だが輝夜が赤ちゃんになったことは知らなかった。
「……嘘だろ」
うどんげの腕でねむる輝夜を凝視しつつ、妹紅のあごが外れた。
処置室で顎を入れなおした後、妹紅は輝夜を抱いた。
妹紅は嫌がったが、うどんげが薦めたのだ。
「まだ首が据わってませんから、支えてあげてくださいね」
「お、おう……」
おっかなびっくり輝夜をだいた。さすがに赤子には憎しみをいだけないらしく、それなりに可愛がった。
「よ、よーし、よーし」
と、腕を揺らしてあやすと、
「あい~」
と、輝夜がしたったらずに笑った。
「うぐっ!!」
妹紅の輝夜が赤くなった。そしてにやけた。
「むむ、むむむ……!」
にやけるのを必死に我慢しているようだった。
「あひゃー」
輝夜が妹紅の顔のほうにちっちゃな手を伸ばして、指先をにぎにぎした。
「だ、だめぇ! もう無理だ! もう抱いてられない!」
妹紅の顔は今にもとろけおちそうになっていた。その顔を必死に隠そうとしながら、妹紅はうどんげに輝夜を投げてよこした。
「そ、そいつが育ったらまたくるから! ばいばい!」
逃げるように竹林にとんでいった。
一人縁側に残され、鈴仙は静けさの中で輝夜を抱いた。
「よいよーい」
「あきゃー」
赤ちゃん輝夜が笑った。
もう無理だ。うどんげは輝夜の甘いほっぺにキスをした。
KASAさん:ベイビープリンセス
Sphe (2011-06-05 01:48:29)
次は、どなたのかしらん?
Sphe (2011-06-05 01:48:34)
KASAさんのかー
KASA (2011-06-05 01:48:44)
べびぷり
かじつ (2011-06-05 01:48:50)
わかったようなわからんような話だった
つくね@鈴 (2011-06-05 01:48:55)
その略し方だとあれを思い出す。
葉月 (2011-06-05 01:48:57)
今回これが一番好きだった
葉月 (2011-06-05 01:49:18)
もう無理だ、の使いどころが上手かったと思います
つくね@鈴 (2011-06-05 01:49:23)
正統派って感じですねぇ
葉月 (2011-06-05 01:49:27)
微笑ましかった
かじつ (2011-06-05 01:49:37)
それはそう思うね。
Sphe (2011-06-05 01:49:54)
微笑ましい話ではあるね、確かに。
Sphe (2011-06-05 01:50:04)
でも、個人的にはもうひとひねりくらい欲しいかなぁ、とか思わないでもない。
Sphe (2011-06-05 01:50:37)
「赤ちゃん輝夜」というぶん投げお題が意味不明なせいではあるけど、話の設定が唐突だからなぁ。
KASA (2011-06-05 01:50:48)
脳みその回転がたりまへんです
ぷらせぼ (2011-06-05 01:51:06)
永琳の、「死んじゃう!」には突っ込むべきなのでしょうか。
葉月 (2011-06-05 01:51:12)
最初の設定は、そうですね
かじつ (2011-06-05 01:51:16)
地ならしをする余裕もなくダダダっと始まってダダダっと終わった感じだね。
つくね@鈴 (2011-06-05 01:51:16)
もう一捻りってこの話だと大変じゃないかなぁ
カミソリの(人‾▿◝)~♥ ❤~(◕‿‿◕) (2011-06-05 01:51:23)
ふう。書いたぜ
KASA (2011-06-05 01:51:23)
適当に永琳の薬を誤飲したーとか書いときゃよかったですね
Sphe (2011-06-05 01:51:48)
"輝夜が赤ちゃんになった。"の一文で済ませるなら、ギャグ落ち目指して突っ走ったほうがよかったかな、と。
かじつ (2011-06-05 01:51:59)
つまりだ
かじつ (2011-06-05 01:52:06)
路線が中途半端に混じっている感じはする。
Sphe (2011-06-05 01:52:12)
です。
KASA (2011-06-05 01:52:14)
たしかに。
葉月 (2011-06-05 01:52:17)
ですね。
Sphe (2011-06-05 01:52:38)
ほのぼの系でいくなら、ギャグカットしてもう少し設定詰めて、ほんわか落とせばいいし
KASA (2011-06-05 01:52:42)
ギャグっぽくしようとして、途中で思いついた妹紅のはなしにそのまま変っちゃってますもんな
Sphe (2011-06-05 01:52:47)
ギャグで行くならもっと最後までギャグ落ちで、って感じかな。
KASA (2011-06-05 01:52:53)
ゴールを見据えることの大切さ。
Sphe (2011-06-05 01:52:56)
30分でそこまで考えるの無理っぽいけどー!
カミソリの(人‾▿◝)~♥ ❤~(◕‿‿◕) (2011-06-05 01:53:14)
逃げちゃったのはワロタ
no1255 (2011-06-05 01:53:16)
あきゃー
no1255 (2011-06-05 01:53:22)
ここかわいい
葉月 (2011-06-05 01:53:41)
永琳と妹紅の表情が目に浮かぶようでした
KASA (2011-06-05 01:53:42)
あかちゃんかわいい
no1255 (2011-06-05 01:53:58)
親としては2歳児くらいが一番可愛いらしい
葉月 (2011-06-05 01:54:29)
そんなところですか
ぷらせぼ (2011-06-05 01:54:33)
分娩時の下りを、赤ちゃんの描写に振っていれば全体的に重心がまとまった気がします。
ぷらせぼ (2011-06-05 01:54:56)
30分縛り、って、つくづく難しいですね。
Sphe (2011-06-05 01:55:01)
ふむ、赤ちゃんにあくまで絞るのかー。
かじつ (2011-06-05 01:55:32)
時間が乏しい時は、実は直接的な描写を多用するという手がある。
かじつ (2011-06-05 01:55:51)
この場合、押し出したい対象の直接描写ということになる。すなわち赤ちゃん輝夜だね。
かじつ (2011-06-05 01:56:21)
そうすると、回りくどい書き方をしないで済む分、物語の進行が圧縮されるわけです。
かじつ (2011-06-05 01:57:16)
他には何かないかしら。
Sphe (2011-06-05 01:57:29)
ないでーす
葉月 (2011-06-05 01:57:33)
じゃあ次
KASA (2011-06-05 01:57:35)
ありがとうございました