「萎え……ですか」
さとりがそう呟いた瞬間、傍にいた魔理沙と諏訪子が噴き出した。
密かに、その隣で呑んでいたアリスも顔を真っ赤にして口元を押さえている。
早苗は思わず立ち上がった。
「ちょ、ちょっと待って下さいよ! なんですかそれ!」
「――萎え、ですね。ふふっ、実に貴方らしいとはいえませんか。萎えキャラ」
さとりは繰り返し呟いて、何とも言えない顔で笑う。
早苗はその気色悪い微笑を睨みつけた。
「な、なんですか。バカにしないで下さい!」
「おやおや、もしかして、自覚がおありですか」
ねっとりとした微笑、というものがあるとすれば、まさしくこういうものを指すのだろう。
早苗は露出した二の腕をさする。
現人神とはいえ、心を読む妖怪など不気味すぎるのであった。
博麗神社の宴会へ、たまに顔を出してみたらこれである。とんでもないヤツと隣り合ってしまったものだ。八坂様や洩矢様とは知り合いっぽかったが、早苗はどうにも落ち着かない気分だった。
「だ、だいたい、なんなんですか。私のどこに萎え要素があるっていうんです!? あるわけないじゃありませんか! まったく、失礼しちゃいます」
「またまた、御冗談を」
さとりは、唇の両端を吊り上げるようにして言った。
「そもそも、今時、宗教勧誘なんて流行ら……おっと失礼」
今度は、さとりの斜め後ろで呑んでいた命蓮寺側から殺気めいたものが感じられた。
さとりは誤魔化すように言い、再び早苗の方を見てきた。
「ともあれ、です。思わぬところで、貴方の新たなキャラクターが決まったようですね。おめでとうございます、早苗さん」
「おめでとうだぜ、早苗!」
「よかったね、さなえ!」
口々に悪ノリしてくる連中を見下ろしながら、早苗はワナワナと拳を震わせたのであった。
~続く~
なかなか難しいふたりだが、実は意外な接点が……?
かじつ
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