果たして、私は門番に向いているのであろうか? この頃、美鈴は思い悩んでいた。
どうも、自分の力が信用できないのだ。
「旅に出ます、探さないで下さい」
そう書き残し、美鈴は武者修行の旅に出た。門番は名も無き妖精が勤めることになったが、門番が変わったところで、別段誰も困ることはなかった。
時が流れた。数々の強敵との死闘を制し、美鈴は腕っ節に自身を取り戻すことが出来た。だが、そうすると別の悩みが沸いてくる、ますます、門番に向いていないように思えてきた。
その頃紅魔館。
「あら、すっかり荒れてるわねえ……」
と咲夜は独りごちた。門番は飾りだが、庭師は飾りではない。剪定する者が居ない今、華やかだった紅魔館の庭はすっかり彩りを失い、荒れ果てていた。
美鈴自身気づいていたのだ。花と戯れる方が向いていることに、紅魔館をやめ、花屋にでも転職しようかと真剣に考えていた。
迷いを浮かべつつ、彼女は次の相手を探しに、遙々冥界まで至った
白玉楼に至り、二百由旬の広さを持つという広大な庭を眺め、身を震わせた。一目見て、この庭師はただものではないと感じた。些か粗野ではあるが力強い庭が広がっている、同時に、これだけの広さの庭を管理する者に是非目通りしたいと思った。
「たのもう!」
美鈴が大声を出すと、幾らかあって、庭師が現れた。
「貴方でしたか。是非指導を請いたいと思いまして」
「いいでしょう」
妖夢は早合点なのが良くない。美鈴は庭師として学びたいと思っていたのだが、それを告げる間も無く斬りかかった。
「隙有り!」
白楼剣で斬りかかる。それがよくなかった。白楼剣は迷いを断ち切る短剣である。
「……盲が晴れたわ」
美鈴はすっかり迷いを断ち切り、門番を辞することを決意した。
「かくかくしかじかというわけで、あ、これ辞表です」
程なくして、妖夢が美鈴の手紙と共に紅魔館を訪れた。レミリアは事情を理解し、悲しげな顔を浮かべた。とはいえ、新たな道を見つけたのだ、喜んで送り出してやろう、と思い、返事と、退職金を包んだ。
「では確かにお渡しします」
「いや、貴方はいかなくていいわ」
「え?」
「門番はともかく庭が荒れ放題なのよ、責任取って」
「庭師なんて里に幾らでもいるでしょう」
「危険な植物も多いの、人間には任せられないわ」
かくして、妖夢は紅魔館に勤めることとなった。代わりに、美鈴は修行を兼ね、白玉楼に住み込むこととなった。門番として一定の力量はあり、料理も出来る、妖夢とは違うタイプだが、庭師はもはや本業だ。
幽々子もこの交換生活を楽しむかのように二つ返事で同意して、また時が流れた。
紅魔館の仕事は、白玉楼に比べれば幾らか楽だった。妖精メイドは数だけは揃っている、妖夢も休暇気分で楽しみ、他の面々も新鮮な門番との生活を楽しんでいた。
ただ一人、パチュリー・ノーレッジを除いては。
紅魔館の庭とは、ただの庭ではない。マンドラゴラのような、錬金術に必要な植物が植えられているし、花壇の作り自体、魔方陣を構成するように出来ている。
「……美鈴は戻ってこないのかしら」
気だるげな声で、パチュリーはレミリアに問いかけた。
「気が向いたら戻ってくるんじゃないの?」
美鈴のことだ、今度は庭師に迷いを感じて戻ってくるだろう、とレミリアは思っていた、慌てる理由もなく、気のない返事を返した。
だが、パチュリーにはそうはいかない。肩を落とし、とぼとぼと庭を歩いていた。アルラウネが枯れていた。
妖夢を責めるわけにもいかない。こういった植物を生育するには、十分な知識を持った者がこまめに世話をせねばならないのだから。それに、抜いたときの悲鳴を聞くと気の狂う、危険な植物なので、隠すように植えられていたのもあった。部外者の妖夢が気づかないのも仕方ないだろう。
「浮かない顔をしていますね」
と声が聞こえた。妖夢の物だ。
「別に、何も無いわよ」
手短にパチュリーは答えた。意識せず、目を逸らしてしまった。それが不機嫌の印と思い、妖夢は何か不届きがないかと周囲を伺う、流石に、アルラウネが枯れていることに気がつき、
「申し訳ありません」
と頭を下げた。パチュリーは努めて笑顔を作り、言った。
「いいのよ」
「今後は気をつけます」
「……ねえ、美鈴はどうしたら帰ってくるのかしら」
妖夢はままあって答えた。
「白楼剣は悩みを切る剣です。迷いが無くなった結果こうなったのなら、迷いを取り戻せばよいのでしょう、なに、おいおいそうなると思いますよ、いつかはわかりませんがね」
「そう」
パチュリーは力なく言った。いつかでは遅すぎるのだ、魔方陣で封印されたあれが解ければ、我が身の破滅だと思って。
「フラーーーーーーーーーーーーン! 一万年と二千年前から愛してる!」
と、レミリアは叫んだ。そこは不思議な場所だ。紅魔館に無数にある中の一つ、何故か井戸がある。そして、防音がなされている。厳重な鍵も付いている。
紅魔館には謎が多い、レミリアをして、全てを知るわけではない。そんな謎めいた部屋の一つで、悶々としたら叫ぶのがレミリアの癖だった。
数日後。
「中華料理が食べたい! 美鈴帰ってきて!」
また、レミリアが叫んでいた。大声を出すのは精神衛生上よろしい、すっきりした顔でレミリアは部屋を出た。
「あら、お嬢様、いい顔ですね」
「そうかしら?」
軽い挨拶を交わし、レミリアが消えたのを確認し、
「美鈴! 貴方みたいな中間管理職がいないと私の負担が!」
と叫んだ。それから、いろいろな物が出入りを繰り返す、妖夢もその中の一人だった。
「幽々子様……こういうことを言うとお爺さまに叱られるのでしょうが……些か白玉楼が恋しくなってきました」
やはり紅魔館は勝手が違うのだ、幾らか里心も付いたのだろう、幽々子や妖忌への思いを切々と説いていた。
そして、パチュリーが入ってきた。言うまでも無い、この部屋はパチュリーの魔法で作られた部屋で、庭の魔方陣は井戸に投げられた言葉を封印しているのだ。
封印が解けかけているのはわかる、だが、やめられない。彼女も何事かを叫び、部屋を後にした。みな、自分だけが知っていると思っている部屋は、少女達の叫びを飲み込む。
それからまた月日が流れ、美鈴と幽々子が訪れた。庭で見事な花が咲いていたので、それを手土産に遊びに来たのだ。
「あれ、この配置じゃ駄目なのに」
昔の癖で、魔方陣を整えようとする、それがよくなかった。破綻しつつ、ギリギリの所で力を保っていた魔方陣は破壊された。大音量で声が鳴り響く
「フラーーーーーーーーーーーーン! 一万年と二千年前から愛してる!」などなど、美鈴を求める声も、
その声をきき、美鈴は復帰を決意した。フランは引きこもりをやめた
「レミィと私が前から後ろからうんぬんかんぬん」
そのパチュリーの妄想以外は、実に感動的な叫びが響いていた。
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