「さて、ルイズのオールナイト幻想郷のお時間ですが、諸事情によりまして、本日は急遽、霧雨魔理沙さんがピンチヒッターとなってお送りいたします。お楽しみ下さい」
――ルイズルイズルイズうわぁあ、といういつもの放送を期待していた奴には悪いが、今日は私が主人公だぜ。パーソナリティだ。魔理沙オンステージってわけだ。
魔法って奴はロマンだな。魔法使いになりたいんですけど、なんてのはよく聞かれる事だ。同時に「でも人間をやめるのはちょっと」とも言われる。せっかくの機会だから、その辺を話そうと思う。
結論から言ってしまえば、魔法使いはいいものさ。あくまで私の意見ではあるけどな。
ついでに、こいつも言っておかないとフェアじゃない。魔法使いってのはみんなふわふわ頭だ。空白少女か少年か老婆か。ともかく海月みたいな頭の持ち主ばかりさ。嫌でもそうなるんだ。
なんで海月が出てきたかというと、私の家には二匹のペットがいる。一匹はICBMで、一匹は海月だ。
ICBM、ミミちゃんを貰った日の事はよく覚えているさ。でも、海月の時はわからない。
ミミちゃんを貰ったのは、まだ人間の時だ。ふわふわ頭になる前、死や病がいつも眼前に有った頃のこと。だから覚えているんだろう。
妖怪――私みたいな魔法使いも含めて――ってのは長生きだ。だからふわふわ頭なんだ。何千何万年と続く人生の全てを覚えていたら、すぐに頭がパンクしてしまう。
あのスキマが言うには、六十年周期で妖怪の記憶は消えていくらしい。干支が一周して、世界が生まれ変わると同じ時間で、記憶も生まれ変わる。例外は歴史になったこと。つまり大事件だ。
海月を飼い始めた時の私は、人間じゃなかったし、海月を見つけたなんてのが大事件なはずもない。「あれはまさか海月か?」くらいは思ったかもしれないが。
海の月なんて書くほどだ、淡水に住む海月なんてのは珍しいちゃ珍しい。大事件とはいかずとも。
なるほど、面白がってペットにでもしたんだろう。いや、実験材料も兼ねていたのかもな。もう忘れてしまったが。魔法海月を作ったのは六十よりも昔だから。
海月を飼った理由だけじゃない。私達は世界に注意を払わないから、殆ど全ては六十年で忘れてしまう。
こう言うと自由意志で払っていないようにも思えるが、アリスやパチュリーを見ていると、そういう種族なのかもな。世界に注意を払えない種族。
根っこの所で言えば、アリスは人形、パチュリーは本。それにしか興味を示さない。
私が人間だった頃のアリスはもうちょっと人間らしかったが、そいつも六十の周期に飲み込まれちまったようだ。
パチュリーは言うまでも無いだろう? 書物にしか興味を示さない知識人、間の抜けた知識人、生まれつきの魔法使いさ。エレンも勿論ふわふわ頭。永遠に成長しない少女のままだ。
成長しないのはエレンだけじゃない。知識だけは果てしなく蓄えられていくけど、それは記憶や思い出じゃない。まるで他人事で、成長には繋がらない。私達の人生に影響を与えることは無いのさ。
私達にとって、魔法、それを生む知識ってのは手段じゃない。目的なんだ。この魔法で世の中が良くなる、とかそんなことは考えない。
そうだな、例えれば将棋の持ち駒だけはどんどん増えていくようなもんだ。でも、私達は将棋には決して勝てないだろう。魔法使いは、将棋のルールになんて興味が無いからだ。無意味に駒を作り続け、ひたすらに溜め込むのは私達だから。
人間もそんなものかもしれないけど。紅魔館の図書室に行けば、きっと山のような数学書があるだろう。で、「フェルマーの最終定理」とか「P対NP問題」みたいな難しい問題が載っているはずだ。
そいつを解いた数学者は、きっと解くことで世の中が良くなるなんて思っていなかっただろう。目の前に問題が有ったから解いただけで。付け加えれば、それが解かれた所で世の中何かが変わったわけでもない。少なくとも私の知る限りは。
そんなもんだ。そういう人間は変人扱いされるが、魔法使いはそうでないほうが奇人扱いされる程度の違いはあるけどな。そう、白蓮のように。
あいつだけは違っていたな。魔法を使うものにとって、捨虫の術を覚えることは目的だ。
でも、白蓮にとっては違った、それは手段だった。始めは死の恐怖から逃れる手段で、後々には仏様の教えを広めるための術となっていた。
もっとも、ああいうのは例外だ。そして、そんな生き方をした白蓮は無事に涅槃の境地に至ったわけさ。
……まあ、海月から話が膨らんだが、とにかく海月はポットで浮かび続けてる。
妖怪になる気配すらなくて、辛そうにも、楽しそうにも見えないまま、ふわふわと浮かび続けている。
なるほど、魔法使いは海月のようなものかもしれない。白蓮が言っていたが、仏様の教える苦しみとは「生・老・病・死」の四つだそうだ。
少なくとも私達には、老いと病は無い。厳密に言えば死はあるんだろうが、多分私達にその苦しみはないと思う。
魔法使いは、死を意識しない。普通に生きていれば死ぬことはない。多分、地球が太陽に飲み込まれても生きているだろう。私達の生活には水も空気もいらないからな。
他所の国の言葉に「Memento mori」ってのがある。「死を思え」という意味だ。確かに、人間はその辺で転んで頭でも打っただけでいちころだ。常に死を思って、死を意識せざるをえないだろう。
恐ろしいもんだろうよ。もう、私には知識としてはわかっても、実感はできないことだが。
だから、逆説的に言えば、私達には楽しみもない。いや、楽しいとは思う。研究が上手くいっても、酒が旨くてもなんでも、喜びという感情を抱く。
でも、そいつは酷く薄っぺらい。喜びの対偶を持たない私達の生活は、あるいは感情も何もかも、それは薄っぺらいんだ。もっとも、それすら本当の所じゃよくわからないんだけどな。ただ、私の知識はそう判断しているよ。人間なら、きっとそう思うんだろうと。
そうそう、「死を思え」と言うが、それは単に恐れるわけじゃない。死後の世界、天国か何かを望む気持ちと、死への恐怖が入り交じった思いを抱けと言うことだそうだ。
私達はその両方を抱けない。喜びも、悲しみも。少なくとも人間のようには。
魔法使いになった当時は、それに嫌な気分を……あるいは恐れを抱いていたらしい。推測だけどな。日記には確かにそのような記述があるが、私には他人事のようにしか見られないから。
今の私の感想を言ってしまえば、生も大した苦しみじゃない。平坦で、執着も無い生は人間のような苦しみは生まないと思う。
こう言うと、魔法使いになるのは嫌だ、と思うかもしれない。だからあえて「心配するな」と言っておこう。そう、私達はふわふわ頭で忘れん坊。嫌な感情も消えてしまう。残せない。
こう話すときにも、万事を客観的に見ていられる。知識も、積み重ねも、私の人生に大きな影響は無い。
人間だった頃の頃は流石にきっちり覚えているが、それを思い出すのだって映画を見るようなもの、いっちゃなんだが他人事だ。
魔法使いになってからのことは、九割九分が残らない。六十年の周期に飲み込まれる。ますます、心配などいらないことさ。
六十年もあっという間さ。どんな生き物も、まあ妖怪や単細胞生物は別枠だが、生涯に心臓が打つ鼓動の数は大差ないそうだ。そして、体感時間も大差ないらしい。
ネズミは馬鹿みたいに早いし、象はのんびりしている。鼓動も、体感時間も。
ゴキブリのとんでもない早さを見てればうなづける話だ。心臓の行動の早さと、感じる時間は比例するって話は。
動物を出さなくたって、ある程度生きてる奴ならわかるだろう? 年を取ると時間の流れが速く感じられることは。そして、魔法使いはその極地にいる。人間には辿り着けない端っこにいる私達には。
私が魔法使いになったとき、思ったんだ。「今日は残りの人生の最初の一日」って。そう、魔法使いの人生ってのは……残りの人生、余生、おまけみたいなもんだと。
今でもそんな感覚はあるな。比率は比べものにならないのに、人間だった時代の方が長く感じられる。
◇
「先進の3Dホログラム。艶やかな匂い。さらに触覚再現装置も搭載! テレビは信頼と安心の河城電工!」
ふむ。ラジオでテレビのCMやってどうすんだって感じだが。
ともかく、それでもなってみないとわからないものだろう。魔法使いも妖怪なわけだが、他の妖怪連中もこんなふわふわ頭なのかは、私にも確信出来ない。自分以外の種族は結局、推測していくしかない。
あの自称賢者様ですら記憶はあっさり消えるのだから、六十年で記憶の殆どが飛ぶのは間違いないだろう。大方の妖怪はふわふわ頭だとは思ってる。そう、五百年生きようが千年生きようが、レミリアは永遠に紅い幼き月なわけだ。
もっとも、そいつらと違って、普通の魔法使いは人間がなるもんだ。
だからこそ、人間の内に人間らしいことをしておくのも悪くないだろう。少なくとも、最初の六十年がぐんと愉快になるだろうよ。やらないで後悔するよりも、やって後悔しろって理屈さ。
こう、酒を飲んでいるときに、人間がいることは珍しいもんじゃない。そう言うときは人間にしかない発想や喜び、悩みが聞けて面白いよ。
例えば、お年頃の女の子が集まれば恋話の一つでも話したくなると思う。一般論ではそんな感じだろう。勿論、私達はそんな話をしないし、感情も抱かない。
夢もロマンもへったくれも無い話で――魔法使いはそういう考えしか出来ないんだが――私達は基本的に死なない。子供なんて作る必要はないわけだ。DNAに乗せた分身を調達しなくたって、いつまでも、いつまでも私は存在している。
海月ってやつは、とんでもない数の卵を産むそうだ。で、その数え切れない子供の中からようやく一匹か二匹が大人になって、子供を残して死んでいく。
人間はそれより遙かに大人になる確率が高くて、長生きだから一回に一人。そして死を意識しない私達はゼロだ。子供を産まない私達は、そのために用意された恋愛感情ってのはわからない。昔は知っていたけどな。
話を人間に戻すと、例えばそんな席で少女達が言うわけさ「這い上がるくらいで、ちょうどいいのよ」って。
慰めの言葉だな。告白したら玉砕したって所だろう。むしろ嫌いとまで言われたのかな。でも、物語は這い上がる方が面白いもんだ。二人は両思いでした、めでたしめでたしじゃお話にはならない。
そういう感覚は、魔法使いにだって幾らかはある。でも、ふわふわ頭の私達は脳天気すぎるのも確かだ。
逆境から這い上がるのは面白い。ただ、魔法使いには時間が有りすぎる。振られた相手を引きつけるために頑張ろう。いい話だが、それも五十年、百年計画とはいかないだろう。
限られた寿命の中でやれることは限られている。だからこそ、這い上がる話にスリルがあるんだ。時間制限がないならただの作業だ。人間が必死にやることも、私達には豆腐のぶつけ合いだ。
……まあ、こう言うと「えっ? 豆腐をぶつけ合うの?」と怪訝な顔で見られるか。白蓮が言ってたときは上手い例え話だと思ったもんだから、そのまま言えれば良かったんだが……知識にならなかったようで、ちゃんとしたことは忘れてしまった。
巨大な石を絹で擦って粉々にするまでの時間、なんて単位が仏様にはあるらしいが、よく覚えていない。その辺が気になる奴は寺に行ってくれと言うところか。
ともかく、人が石を切り出すにはノミを使うし、木を切るならノコギリを使う。でも、私達は豆腐でいいんだ。柔らかい柔らかい豆腐だって、微かな衝撃はある。それが積み重なれば岩だって崩せる。それだけの寿命が私達にはある。長い長い時間と余裕が。
そうか、私の行動がわかりやすい。本を盗み出しては、「死ぬまで借りておくぜ」と私は言っていたものだ。人間同士なら質の良くない冗談だが、魔法使いにとっては冗談と言うほどでもない。まあいいか、くらいのものだ。人間の寿命なんてのは本当に短いもんだからな。
まだ人間なら、人間の内に恋でもなんでもやっておけばいい。魔法使いは人間とは価値観も何もかも違う。まあ、幸福にもふわふわ頭だから、無理にする必要もないけどな。六十年経てば、殆どの感情は別物になってしまうんだから。
それに、自分を残さないってのは私に限った話かもしれない。おとぎ話によくあるだろう? 天狗が人間の子供を一流の武芸者に育て上げました、なんてのが。普通に考えれば妖怪の方が長生きするに決まってるんだから、妖怪が自分の技を伝えて後継者にするなんてのはおかしな話だと私は思う。
漫画でよくあるように、「いいだろう。教えてやるぜ。ただし――私に勝てたらな!」こんな風にして、老賢者が最後の試練を与える。一子相伝の大魔法を教えるために……なんてのは私にも想像が付かない。
漫画の魔法使いと違って、私は人間じゃないからな。誰かに何かを伝えて、残したいとは思わない。何故ってのは言うまでも無い。私はずっといるからだ。少なくとも、ビッグクランチにでも飲み込まれて、私がいなくなるときは、もう伝えるべき相手もいないだろう。宇宙もないだろう。
でも、実際にそういう天狗もいたらしいからな、疑似の親子関係を楽しむような。鴉天狗に育てられた若武者の八艘飛び――みたいに。
それに、今話しているのも、伝えたいことか、人間くさい面がまだ私にもあるからかもな。ギャラのために話して、次の仕事が入るように真面目に包み隠さず話してるとは思っているんだが。
もし、魔法使いになって、何百年経ってもふわふわ頭になっていないようだったら、悪かった。今の内に謝っておくぜ。
◇
「壮大なスケール。続々と開発されるモバイルスーツ。守矢驚異のメカニズム。白熱のバトルフィールドへ。守矢神社のプラモデル」
もうちょい悪いことも話しておこう。「去る者は日々に疎し」と言うが、あれは嘘だ。むしろ、死んだ奴らは日に日に美化されて、大きくなっていく。
一方、私達は死なない。だから、ずうっと勝てやしないのさ。いつも何時でも、何時までも。死んだ奴らにはさ。
勿論、霊夢の事は知っていると思う。「ええ、あの偉大で美人でうんぬんかんぬんの巫女様でしょう?」なんて思った奴がいれば、是非とも電波に乗せて魔砲をぶちこんでやりたいところだが、あいにくそんな魔法はまだない。。
気持ちはわかるさ。そう、死んだ人間は良いところか……悪いところしか見られない。霊夢みたいな英雄は勿論前者だ。その中でねじ曲がっていく。
複雑な気分になるな。私はあいつがいかにぐうたらで適当で駄目な奴か知ってるから。でも、死人には勝てない。あいつとは人間だったときも、魔法使いになってからも親友だったもんだ。私の語る話、私が主人公の物語の中のあいつは、そんなに偉大でもなかったさ。キュートさも私の方が三割は上だ。
だけど、私は生き続けるから、私はずっといるから、私がつなぎ止めたい真実の霊夢は、どんどん離れて行ってしまう。幻想の中で、人々の夢はどんどんと膨らんで、生き続ける妖怪には止められない。結局、私たちと人間じゃ別物だしな。
それはそれで、あいつらしいかもしれないけど。夢の御札を持ってた素敵な巫女には。
……そうだな、聞いてみたいことがある。私が霊夢から聞いた最後の言葉は「……楽しかった。うん、楽しかった!」そんな言葉だ。それはもう、いい笑顔で言っていたよ。
このまま行くと、亀を抱いては賛美歌と共に、穢れをものともしない八百万の神に引っ張られて昇天しました。まで行きそうだが、流石にまだそこまでは言ってないはずだ。そう信じたい。
霊夢は普通に死んだよ。多分幸福な人生だったろう。それは本人以外決められることでもないが。まあ、普通に死んだって事は、当然老いた体はボロボロさ。
薬で痛みを止めて、壊れた体で歩くこともままならない。ふと居眠りでもしたらそのままお陀仏。
そんなときに、どうして「楽しかった」なんて言えるんだろうな? 人間の持つ思い出って奴は、そこまで強くさせてくれるのかな? ふわふわ頭には、もう思い出ってものがよくわからないんだ。
まあ、これは聞いてもしょうがないか。死人に口なし。わかる奴はもう三途の河の向こうだ。怨霊ならふらついているが、「幸福だった」なんて言える奴は怨霊にはならない。
ともかく、そういう事もあるってことさ。
そろそろ時間か。……最後にクイズでも出しておこう。次があるかわからんが、こうやって気を引きつけておけば、また呼ばれるかもしれないからな。
少し前に、霊夢から手紙が来たのさ。勿論、あの世から来たわけじゃない。自分が死んだずっと後に届くよう手配していたんだろう。紫にでも頼んでいたのかな。
ともかく、そこにはある物が同封されていた。で、手紙に――個人的過ぎるから詳細は省くが――その結びに、「ねえ、魔理沙。忘れ物よ」って書いてあったんだ。
さて、霊夢から送られてきた物はなんだと思う?
……まあ、わかるわけないだろうな。それでも気になるなら次にこうご期待ってとこだぜ。
それもちょいと酷い話か、じゃあもう一個クイズだ。
私は、霊夢が送ってきた意味はよくわかった。「忘れ物」って比喩を使った意味もわかる。
付け加えれば、こういう時に人間ならどういう感情を抱くんだろう、って事も完璧に理解できる。そう、魔法使いは知識だけは豊富なんだ。
そして、魔法使いは成長しない。どれだけ感動的な体験を経ても、それを人生に役立てたりはしない。それは、寿命との対価だからだ。成長を止めることで、私達は寿命に近づかずともすむようになった。
他の妖怪はわからないが。少なくともかつて人間だった魔法使いはそうさ。何があってもふわふわ頭で、空白少女なんだ。知識は増えるが、もう学ぶことは出来ない。知識って言う入れ物に水は注げない。
だから、私は霊夢が望んだ思いを抱けなかった。
しょうがない、その方が合理的だ。人間の生死に思い入れを持ちすぎたら、私達はやっていけない。だって、人間は必ず先に死ぬんだからな、私達から見れば瞬きみたいな時間で。それが半ば無限に繰り返される……あまり真剣になると心を病んでしまう。
ひょっとすると、生まれつきの妖怪はそうでもないのかもしれない。私も、多分あの海月が死んでもそこまで悲しんだりはしないだろう。私は人間だったけど、海月じゃあなかったから。
心だけは、魔法使いでも病になるもんだ。精神で生きる妖怪でも……だからこそ、心だけは病むもんだ。
さて、私の抱く気分とはなんなんだろうな? 私は、霊夢の手紙を読んでも感傷的にならなかった、なれなかった。一般論で考えて、取るべき反応は理解できたが、それだけだ。
……それが酷く嫌な気分なんだよな。私の知識じゃあその嫌なものが捉えられない。
……なあ、私はどうしてこんな気分になるんだと思う?
おっと、最後脅すようになったな。でも、心配はないさ。魔法使いはふわふわ頭。六十年後にはこんな感情も無くなっている。他人のカルテと同じことだ。
こんな些事が、感情なんてのが歴史になるわけもないしな。きっと。
さて、時間だ。また私の話が聞きたいって奴はどんどん河童を脅してくれ。そうすれば聴取率は上がって河童はにっこり、霧雨魔法店も売り上げが上がって万歳。お前らは楽しい放送が聴けてよしよし。三方一両得だぜ。
えー。それじゃおやすみなさい、か。霧雨魔理沙……でした。
「魔理沙さん、有り難うございました。番組へのご意見ご感想をお待ちしております。宛先は――」
「ふわふわ頭」 かぼちゃ
生煮え (2012-01-28 21:22:15)
どうぞ
かぼちゃ (2012-01-28 21:22:21)
よろしくお願いします
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:22:23)
コメント貼付け
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:22:43)
胸と胃が痛い痛い痛い<ふわふわ頭
生煮え (2012-01-28 21:22:44)
贅沢ですね
かぼちゃ (2012-01-28 21:23:08)
「だから、ずうっと勝てやしないのさ。いつも何時でも、何時までも」「……楽しかった。うん、楽しかった!」
かぼちゃ (2012-01-28 21:23:20)
なんかもうこの辺を見たら寿命ネタしか出てこなくなりました
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:23:35)
ものすごくエグい話だと思う。
生煮え (2012-01-28 21:23:36)
普通に書けば5本ぐらい書けそうなネタを、この容量に押し込んである
かぼちゃ (2012-01-28 21:24:11)
エレンで書いた没ネタの再利用
かぼちゃ (2012-01-28 21:24:27)
魔理沙じゃなくていいだろというブーメランです
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:24:33)
魔理沙の、魔理沙たる、魔理沙的なものを失った先に得たものが見えず、失ったものが鮮明すぎる。
生煮え (2012-01-28 21:25:09)
いやでも魔理沙らしいと思いました、よ
生煮え (2012-01-28 21:25:35)
思考がとりとめも無く飛びまくるじゃないですか
かぼちゃ (2012-01-28 21:26:27)
独白体だから繋ぎなんて誤魔化せるんだ…
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:27:06)
貫くような「真っ直ぐさ」とか、符名たる「恋心」とか、異変を解決すべき「人間」とか「霊夢」とか。
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:27:37)
根こそぎ失くなってとっくに取り返しが付かないというのが実に陰鬱
生煮え (2012-01-28 21:28:06)
陰鬱を楽しむ話ですね
かぼちゃ (2012-01-28 21:28:18)
妖怪は六十年で記憶を無くすとか、妖怪は成長しないから長生きって設定考えればこんなものなのかなーと
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:28:31)
ここまでかけがえの無いものを失う話は俺には書けないなあと
かぼちゃ (2012-01-28 21:28:59)
魔理沙は努力家。妖怪は成長しない。って足すとこういう発想になりました
生煮え (2012-01-28 21:30:00)
そのかぼちゃさんの「こんなものなのかなー」とか「こういう発想になりました」の部分が、なんていうか
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:30:00)
ただ、妖怪が「こう」ならば、美しさを競うスペカルールって何故普及したんだろう、って疑問はありました
生煮え (2012-01-28 21:30:34)
自分には無い角度からの発想に見えて、すごい面白かったです
生煮え (2012-01-28 21:31:04)
物の見方が違う感じですかね
バームクーヘン (2012-01-28 21:31:19)
うーん。まりさですね。
かぼちゃ (2012-01-28 21:31:47)
勝ち負けへの執着とか、勝負から得るものが無いから、スペルカードみたいなお遊戯を楽しめる的な感じですかね。私の中では
かぼちゃ (2012-01-28 21:32:09)
人間だけなら美しさよりも、実践的なものを求めてしまうといった
生煮え (2012-01-28 21:32:35)
ただ、とても楽しめたんですけど、ほんのちょっとだけ
生煮え (2012-01-28 21:32:42)
ダレた
かぼちゃ (2012-01-28 21:33:06)
ぐだぐだなのはわかっていた! でも治すのは無理だった!
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:33:21)
美しさすらうすっぺらならば、そこに追求は存在し得ないし、感じるものはなく提案すら怪しいのではないかと
かぼちゃ (2012-01-28 21:33:34)
こういう形なりに、展開と山に落ちは盛り込めたんでしょうね。そこはまだ腕不足で
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:33:45)
でもまあ、ラジオってこんな感じじゃないですかね
生煮え (2012-01-28 21:33:49)
いや、ネガに感じるほどじゃないのですけど
かぼちゃ (2012-01-28 21:34:23)
ラジオ自体無理矢理ですからねえ。「主人公」ってセリフを消化するために、誰かが聞いてる設定が欲しかったので
かぼちゃ (2012-01-28 21:34:47)
>美しさすらうすっぺらならば、そこに追求は存在し得ないし、感じるものはなく提案すら怪しいのではないかと
生煮え (2012-01-28 21:34:50)
たぶん情報量が多すぎて、メモリがハングアップして思考停止ww
かぼちゃ (2012-01-28 21:34:51)
確かに
かぼちゃ (2012-01-28 21:35:41)
この作品の魔理沙は平坦すぎる。淡泊すぎる所があるのでしょう。で、私が深く考えて書いてないから、そういう疑問も生まれるのかと思います
かぼちゃ (2012-01-28 21:36:18)
妖怪は~って言い続けてる割には、あまり突っ込めてないという所で。そこは自分なりに固め切れて・考え切れて無いところでした
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:36:49)
あと、さっき言ったけどちょいズルイんですよね、この形式w
生煮え (2012-01-28 21:36:57)
ww
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:37:27)
語りかける形なら、例え話とかでほいっと盛り込み続けられるから。
かぼちゃ (2012-01-28 21:37:42)
作戦勝ち(キリッ
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:37:45)
ただまあ、コロンブスの卵なんでしょうけどw
生煮え (2012-01-28 21:38:23)
全消しするには、こういう奇策は必要だったんでしょう
かぼちゃ (2012-01-28 21:38:59)
台詞をどう使うかというか、この台詞から着想を受けて書いた感じではありました
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:39:27)
全消しするという発想がまずなかったなあ。凄い。
かぼちゃ (2012-01-28 21:39:30)
クラゲが思った以上にイメージを広げてくれたのは予想外
かぼちゃ (2012-01-28 21:39:37)
ただし豆腐、お前は駄目だ…
生煮え (2012-01-28 21:40:01)
IBさんも全消しできる予定だったみたいですよ
かぼちゃ (2012-01-28 21:40:09)
せめてぶつけ合いじゃなかったら! ぶつけなくてもいいなら!
生煮え (2012-01-28 21:40:36)
クラゲはしっくり来てましたね
かぼちゃ (2012-01-28 21:41:05)
最初がそこからでした
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:41:44)
なんだかこの魔理沙は次の60年を迎えられる気がしない。霊夢がそれ見越して介錯代わりに手紙残したんじゃあるまいか
かぼちゃ (2012-01-28 21:41:47)
クラゲとかなんにも考えてないし成長しないよなと。で、没にしてたエレンSSのネタをリサイクルして
かぼちゃ (2012-01-28 21:42:39)
正直手紙のあたりは具体的には考えてないのです……
生煮え (2012-01-28 21:42:49)
ああ、でも全消ししたから、思考に一貫性が無くなって、クラゲ頭に妙な説得力が生まれたのかも
かぼちゃ (2012-01-28 21:43:21)
ただ、魔理沙が言ってることのいくらかは強がり、思い込みなんだろう、くらいを書きたくてああしたのですが
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:44:20)
「酷く嫌な気分」が残る程度には人間味を残した「心だけは病む」存在が「取り返しの付かないもの」に苛まれるわけで。
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:45:10)
次の60年を前にして消えてしまうほうが綺麗だと感じるのはエゴかなあ
かぼちゃ (2012-01-28 21:45:39)
そこはご想像にお任せします、といった所です
生煮え (2012-01-28 21:45:59)
なるほど、中途半端に人間が残ってるから陰鬱なのかも
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:46:55)
発想が少年漫画(つかジョジョ)だからこういうのはひっくり返したくなっちゃうのかな、俺。
かぼちゃ (2012-01-28 21:47:02)
元人間ですからね、幾らかは残っているのではないかと思いました
生煮え (2012-01-28 21:47:25)
でも救いは無さそう
かぼちゃ (2012-01-28 21:47:53)
魔理沙なら俺の隣でねてるよ
生煮え (2012-01-28 21:47:59)
というか、パチェあたり一皮むくとこんなんってことでしょうか
かぼちゃ (2012-01-28 21:48:28)
魔法使いってみんなこんな感じなんじゃないのかなってイメージです
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:48:35)
それおさとうゆっくり魔理沙だぞ<隣で
かぼちゃ (2012-01-28 21:49:09)
文章はどうですかね?
かぼちゃ (2012-01-28 21:49:28)
文からして単調な感は自分で感じましたが
生煮え (2012-01-28 21:49:29)
咲夜さん死んだら「代わりを探さないとね」と
かぼちゃ (2012-01-28 21:49:43)
語尾とかはかなりなおしたのですが……
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:50:06)
語り掛けの形なので、多少単調なのは意図的なものかと思っていましたが。
かぼちゃ (2012-01-28 21:50:20)
ある程度はそうなんですけどね
かぼちゃ (2012-01-28 21:50:35)
口に出して話してるなら、わりと単調になるのかなと
生煮え (2012-01-28 21:50:37)
いや、少なくとも前半はかなり引っ張られましたし
かぼちゃ (2012-01-28 21:50:48)
でも、それが読みにくいとなったらあれなんで
生煮え (2012-01-28 21:51:27)
間の開け方がもっと工夫できたかもしれません
生煮え (2012-01-28 21:51:34)
具体的にはCM
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:51:35)
独白形式の場合は文章よりもキャラが出ているか、雰囲気が出ているかが重要だと思うんです
かぼちゃ (2012-01-28 21:51:52)
雰囲気ですか。なるほど
かぼちゃ (2012-01-28 21:52:26)
間はそうですね。
かぼちゃ (2012-01-28 21:52:48)
話に余裕を作りきれませんでした
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:52:50)
最初に「ラジオです」って言ってるわけで、一人でマイクに向かってしゃべるようなわざとらしさの為なら「ちょっと違和感が出る」のは問題ないんじゃないかと
生煮え (2012-01-28 21:53:08)
CMはいいギミックで、あれで思考に息継ぎができるんですよ
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:53:13)
こっちは「ラジオ聞いてるつもり」で読んでるわけですから
生煮え (2012-01-28 21:53:44)
ただしくじると、流れが途切れてしまいますけど
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:54:16)
そういう意味でCMも好き。いいとこで切られる辺りがリアル。守谷の1/144モバイルスーツ欲しい
這い寄る妖怪 (2012-01-28 21:54:42)
っと、30分過ぎてますね
生煮え (2012-01-28 21:54:44)
この作品の場合は、失敗しては無いですけど、生かしきれてもない。十分だけど満点じゃ無い
かぼちゃ (2012-01-28 21:54:55)
ありがとうございました
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