その魔法使いが私のところに訪れるようになった切っ掛けは、とある宴会だった。手ぶらでは何だからと持って行ったキュウリ、生のままのそれが、パチュリーの興味を引いたらしい。
「それがキュウリ?」
「え、うん」
見ればわかるだろう! と内心思ったが、パチュリーはからかう風でも無く輪切りのキュウリを眺めているので、即座にツッコムこともできなかった。
「もっと大きいものかと思っていた」
「見たことないの、キュウリ?」
「ええ、本物を見るのは初めて」
世の中にキュウリを見たことが無い奴がいるなんて信じられなかったが、図書館に引き籠もっていると噂される御仁のことだから、そんな信じられないこともあるのかもしれない。
「じゃあ折角だから、食べてみたら」
「そうね、いただきます」
パチュリーは輪切りのキュウリを不器用に摘むと、マヨネーズを付けて小さな口に運ぶ。風評から才能あふれる魔法使いという印象を彼女には抱いていたのだが、そのたどたどしい仕草は年端もいかない少女のような頼りなさが感じられる。
「どう?」
「……水っぽい。でも悪くないわね。けっこう好きかも」
照れくさそうな笑顔が印象的だった。
それからたびたび、彼女は私のところを訪ねて、キュウリを食べて帰っていくようになった。キュウリぐらいどこにでも売っているはずなのに、奇妙な話だ。
キュウリを二人で食べて、少し世間話をして、飽きたら帰って行く。引きこもりと噂される魔法使いがわざわざ山まで出向くなんて、なんでなのか私には理解できなかった。
しかし彼女はいろいろと物知りで、話している間は、まぁ楽しかった。
ある日、彼女は切っていないキュウリを弄びながら「これ、知ってる?」と私に尋ねた。彼女はキュウリに楊子を一本、二本と刺していき、四本刺したところで地面に立たせる。「馬」
「馬にしては細身だね。それは茄子でやったほうがいいよ」
「そうね」
俯いた彼女の、綺麗に伸ばした髪が、何故だかとても印象に残った。
次の日彼女は、茄子を持ってきた。昨日と同じように茄子に楊子を刺していき、地面に立たせた。
「馬」
「うん、ちょっと太いけどね」
「ええ」
彼女は嬉しそうに笑顔を零した。その笑顔が素敵で、私は思わず見取れてしまう。
※ この後、濃厚な百合大恋愛話へと進行していく予定でしたが、残念ながら時間が無いようですので、今回はここまでで終了とさせて頂きます、ご了承ください。
2012-02-12 23:53:01 I・B@参加:どん
2012-02-12 23:53:03 かぼちゃ@参加:ありがとうございました
2012-02-12 23:53:13 生煮え@参加:よろしくお願いします
2012-02-12 23:53:19 I・B@参加:00:03まで
2012-02-12 23:53:24 葉月(参加):>濃厚な百合大恋愛話
2012-02-12 23:53:29 I・B@参加:続き読みてぇ
2012-02-12 23:53:29 かぼちゃ@参加:未完
2012-02-12 23:53:38 葉月(参加):これは、本当にこれの予定だったんですか?
2012-02-12 23:53:48 生煮え@参加:ぎくっ!
2012-02-12 23:53:56 アン・シャーリー@参加:これはパチェそうとうかわいかった
2012-02-12 23:53:57 葉月(参加):だとしたら、構成ミス
2012-02-12 23:54:05 かぼちゃ@参加:「私」が誰かわかりにくいですね
2012-02-12 23:54:12 I・B@参加:当初は、どのような終わりにするつもりで?
2012-02-12 23:54:12 葉月(参加):じゃないとしたら、このあとどう展開していくのかが知りたい
2012-02-12 23:54:29 アン・シャーリー@参加:パチェ好きが9.9割を占めるそそわでこれは強い
2012-02-12 23:54:45 I・B@参加:つっこまないぞ……!
2012-02-12 23:54:45 かぼちゃ@参加:キュウリだけではにとりに繋げるには弱いかと思いました
2012-02-12 23:54:46 生煮え@参加:正直、書きながらオチを考えていたら時間切れという不始末で
2012-02-12 23:55:04 I・B@参加:未来の自分にオチを託したのですね
2012-02-12 23:55:11 アン・シャーリー@参加:私 がなかなか判明しないのは、味があって逆によいかと思いますね
2012-02-12 23:55:44 アン・シャーリー@参加:あとこれパチェは魔性の女という感じでかわいい
2012-02-12 23:55:51 かぼちゃ@参加:ただ、「私」が誰かわからないとかなり読みにくいんですよね。それにギミックがないならわかりやすい方が
2012-02-12 23:56:02 生煮え@参加:ああ、そっか。私=にとり、を
2012-02-12 23:56:09 生煮え@参加:書き忘れ
2012-02-12 23:56:09 かぼちゃ@参加:誰かもわからない人間に感情移入は出来ないので
2012-02-12 23:56:27 I・B@参加:きゅうり、で「にとり」と結びつけてしまったので、それを逆にフェイントにするということも。
2012-02-12 23:56:34 アン・シャーリー@参加:まぁたしかにキュウリじゃなければこーりんか? とかはちょっと思った
2012-02-12 23:56:43 葉月(参加):うん、誰だかわからなかったから
2012-02-12 23:56:52 葉月(参加):あとがきに飛んじゃった
2012-02-12 23:56:54 生煮え@参加:痛恨のミス
2012-02-12 23:57:13 葉月(参加):そして確認してから再度読みはじめた
2012-02-12 23:57:29 アン・シャーリー@参加:三分の一くらい進んだところで名前出せばよかったかもしれない
2012-02-12 23:57:59 アン・シャーリー@参加:そしてこれは絶対パチュリー誘ってる
2012-02-12 23:58:05 I・B@参加:カッパのバザーとかなら、まだわかりやすかったのかな? いや、きゅうり=にとり の先入観のあった私が言うのもあれですがw
2012-02-12 23:58:15 かぼちゃ@参加:あとは、未完にしても、どういう話か、どういう事が書きにくいのかがわかりにくいですかね
2012-02-12 23:58:49 かぼちゃ@参加:次を読んでみよう、というヒキに欠けるかもしれません
2012-02-12 23:58:59 かぼちゃ@参加:書きにくい→書きたい
2012-02-12 23:59:41 生煮え@参加:話が思いつかなくて、なんとなく百合を匂わせる雰囲気系にしようかと
2012-02-12 23:59:48 ROM専:書きながら落ちを考えるというやり方は、ある程度慣れてないと採るべきではない。これは構成の選択ミスに思える。
2012-02-13 00:00:00 かぼちゃ@参加:そうすると、お盆っぽいのが余計かも
2012-02-13 00:00:12 I・B@参加:思わず見とれてしまう。 ここ「しまった。」とかにして切っても、ほのぼの百合としてとおったかも。
2012-02-13 00:00:21 アン・シャーリー@参加:なんとなくエロスを感じてしまったのは僕だけでしょうか
2012-02-13 00:00:28 アン・シャーリー@参加:キュウリで
2012-02-13 00:00:43 I・B@参加:キュウリと茄子と言われれば、誰でもえろすを感じるでしょう。
2012-02-13 00:00:50 アン・シャーリー@参加:やはりな
2012-02-13 00:01:02 生煮え@参加:ええ、そう?
2012-02-13 00:01:02 かぼちゃ@参加:「俯いた彼女の、綺麗に伸ばした髪が、何故だかとても印象に残った。」
2012-02-13 00:01:10 かぼちゃ@参加:この辺は百合フラグ
2012-02-13 00:01:14 アン・シャーリー@参加:「ちょっと太いけどね」とかさあ
2012-02-13 00:01:49 葉月(参加):思うに
2012-02-13 00:02:04 かぼちゃ@参加:私はキュウリに茄子で、それを馬にでお盆→なんか死にネタで重く? という印象を
2012-02-13 00:02:15 葉月(参加):キュウリというネタに縛られてしまったのではないかと思われる
2012-02-13 00:02:30 生煮え@参加:なるほど
2012-02-13 00:02:31 アン・シャーリー@参加:成る程
2012-02-13 00:02:46 アン・シャーリー@参加:たしかに全編にわたってキュウリだった
2012-02-13 00:02:51 かぼちゃ@参加:確かに
2012-02-13 00:03:02 I・B@参加:そろそろ、いったん次ぎに
2012-02-13 00:03:11 生煮え@参加:にとり=キュウリのイメージしか無かった
2012-02-13 00:03:21 生煮え@参加:ありがとうございました