怠い体を動かして、やっとのことで布団にダイブ。
神奈子様には休めって言われたけど……さすがあんなに大入りの中、一人だけ休めませんし。
なんとか必死にパジャマに着替え、敷布団に横たわり。
荒い息で眠りにつく。
きっと風邪だと聞いたけど、ここまで悪化するなんて。
「酷いことになってるわねぇ」
そんな声と肌寒さに薄目を開けてみると、紅と青の人がぼんやり見えて。
それが霊夢さんだと気づいたけれど、体は重くて動かない。
ほんの少し開けた目から見える景色、何故か霊夢さんがウチの巫女服を着て私の隣にいる。
「全く酷い混みようよねぇ。私のとことは大違い。賽銭は分けてくれるらしいけど」
いや、それはどうなんでしょう。
そんなツッコミもできそうもない。
「あんたも大変よね。風邪時引いたくらい休めばいいものを」
私が起きているのに気づいているのかいないのか、霊夢さんは外を見ながらつぶやく。
その表情は見ることはできない。
掛布団がないせいで寒いんだなぁと気づきながらも何故か起きることはできなかった。
「神様二人は私に任せるっていうし。保護者責任ってやつをだね……」
それは同意です。だけど乾いた喉からは声が出ない。
私の思いを知るように霊夢さんはコップの中の飲み物を大きく煽る。
それ、私の水なんですけど。
そして小さくぼやく霊夢さんの影が急に大きくなった。
薄めのままに、霊夢さんが近づいているのがわかって。
内心慌てながらも、自分はボーっとその光景を見てて。
「早く治しなさいよ？ 私が困るんだから」
そう口が動いて、声が届いて。
そして、
影が、触れて。
一瞬意識が吹き飛んで。
ひらひらと手を振って霊夢さんが去っていくのが見えた。
ガバリと一気に身を起こして。
頭のあたりに手を当てる。
……まだ熱い。
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